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担保外す登記は一人でできることが多い
「不動産を相続するにはどうすればよいか」でも述べましたが、登記は原則として登記して得する人と損する人の共同で申請します。
その例外として「不動産を相続するにはどうすればいいの」に建物の新築の保存登記と相続登記があると述べました。
住宅ローンの担保抹消(抵当権抹消)登記も実質は担保を持っている人、担保を入れた人の共同申請なのですが、担保を取っている銀行などは担保を取る場合にはその担保を保全するために慎重ですが、担保を外すときには、特に完済を受けた以上担保外しても自己に損失が発生することはないので、割と緩い対応をします。
すなわち、担保を外す登記(正確には抵当権抹消登記)に必要な書面を担保を入れていた人にポーンと渡します。「お宅で勝手に登記して」と言うような感じです。
そんな感じですから、実質担保を入れていた人から単独で担保抹消登記ができるのと同じ感じになります。
(正確に言うと不動産所有者が抵当権者(住宅ローン債権者)の代理人を兼ねています)
という事で、多くの場合銀行から渡された書面を全部持って行って、司法書士に依頼するか、登記所に持って行って登記所で相談しながら登記することができます。
ご自分で担保抹消登記をしようと思われる方は抵当権抹消を参照してください。
以上述べましたように住宅ローン完済による抵当権抹消登記はご自分一人でできるのです。
ただ注意する事項としていかにいくつかあげます。
①管轄法務局の問題があります。 不動産所在地を管轄する法務局に申請しなければなりません。住宅ローンの性質から普通所有者は不動産所在地に住んでいるでしょうが転勤などで遠隔地に住んでいる場合は申請地を間違えないように。
②住宅ローンを組む時にとりあえず旧住所で登記をしている場合あるいはローンを組んで抵当権の登記を入れた後住居表示が実施され住所が変わっている時には現在の住所に変更してからでないと抵当権の抹消登記ができません。
③不動産が親子あるいは夫婦共有になっている場合でも保存行為と言ってどちらか一人だけの申請で登記ができます。
④抵当権抹消登記は自分一人でできると書きましたが、正確に言うと実は抵当権者である銀行と共同で申請をすることになります。住宅ローン完済した時に銀行からの委任状がついてきていると思います。この委任状を利用して受任者欄にあなたの名前を記入してあなたがあなた自身と銀行の代理人としての両方の立場で申請することになります。
因みに昔の不動産取引についてお話します。不動産売買の単純なものは売主、買主のみでの取引です。私の経験したところで複雑なのは事業用の不動産の取引で事業用ですといくつもの銀行の担保がついています。最近はあまりありませんが銀行だけでなく抵当証券会社の担保も付いていることもあります。買う方も自己資金で買えない場合銀行の住宅ローンを組んで担保に入れます。また、大きな不動産ですと税金も絡んできますから税理士も付いてきます。問題予防のためか弁護士がついてくることもあります。土地の境界などのために土地家屋調査士とか土地評価の関係で不動産鑑定士がつくことがあるかもしれません。それに不動産売買の仲介業者。これら売主買主のほかに数社の銀行、税理士、弁護士が一堂に大勢集まって、売主の担保権を外す書類、権利を売主から買主に移す書類、買主の銀行の担保に入れる書類が全部そろってそれら全部の登記ができますよとそれらに関与した司法書士がOKをだすと買主についた銀行が住宅ローン実行して融資金額を買主に渡し買主が売主に渡し、売主が自分についている担保金を銀行に返済して全部が終了するようになっていました。このような場合ですと司法書士は一度に確認する書類が多いので大変ですが一度で終わってしまいます。
ところが最近は銀行は取引決済にかかる費用を節約して決済現場には人をよこしません。どうするかというと司法書士が担保入れる登記に必要な書類を事前に銀行から受け取っておくのです。で担保を外す方も事前に担保を外すために必要な書類を銀行と打ち合わせて司法書士が確認しておいて、司法書士が登記できますよとOKだして買主の銀行、買主、売主、売主の銀行に資金が全部移動して売主銀行が完済した状態になってからその銀行に担保外す書類を取りに行くのです。
ということで、司法書士は以前は全部を取引決済の場一か所で済んでいたところ、それぞれの銀行にもいかなければならなくなりました。
本来であれば、銀行は取引決済の場に行って司法書士に担保権抹消をお願いしますよというところ、現場に行かないのが当たり前になってくると、逆に司法書士が頭を下げて抹消書類を受取りに来ると錯覚してこれまでは事前の抹消書類の確認はFAXで送ってくれたりしたのですが、心配なら店まで来いとまで言います。司法書士には冷たくなっています。でありながら、売買代金で完済し担保はずすのではなく、毎月地道に返済し自力で完済した場合は担保抹消書類を取りに来いとまでは言わず郵送で一件書類を送っていますね。
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