破産申立を嫌う人多いです。
その理由にもいろいろありますが、①として、「破産」のイメージでしょうか。
破産者は落伍者だと思っている人。確かに落伍者かもしれません。
20年以上も前に「サラ金地獄」などと言う言葉ありました。
サラ金が隆盛の頃、武富士の役員、親族などが毎年ずらっと長者番付に載っていました。
その頃は破産申し立てをする人もかなりいました。裁判所に並んで待っていて、裁判所の担当職員も大変だったでしょう。その当時は、裁判所でも普通の民事裁判している部署が破産もやっていたのですが、それでは一般の事件ができなくなるほどの破産事件の増加で、破産専門の部署をつくったのです。
それでも追いつかなくて、破産部署の人員も増員しました。
破産者一人に充てる時間も何時間もかかっていたのですが、今では長くても15分くらいに短縮しています。
そのくらいしないと、破産事件が渋滞することになるからです。
1年間に20万件以上もの申立てがあったのです。
コロナの感染ほどには及びませんが。
そんなペースが5年も続けば100万人破産者がいることになります。
という事から言えば、破産者ってあなたの周りにいるんですよ。
ただ、最近はそのペースはぐんと落ちていますが、コロナでまた増えるのでしょうか。
と考えれば、破産者なんていくらでもいる人生の落伍者なんて思わなくてもいいのではないでしょうか。
②として、ブラックリストに載ってしまう、住宅ローン、車のローンが組めなくなる、将来娘、息子の学費などの保証人になれなくなるなどと考える人もいます。
これは、破産を考えなければならない借金を負っている人は、通常は支払いを何回か遅れている場合も多いでしょう。そうするとその段階で多くはもうブラックリストに載っているのです。破産を避けて任意整理つまりは長期の分割払いの和解をしていても、その分割払いの返済をしている間もブラックリストにのっているのです。
多重債務を負っている人がブラックにも載せず、破産もしない方法は親族などの援助をもらって一括返済するなど方法はあまりありません。
③隣近所、勤め先に破産がばれちゃうのではないか。
これはあまり考えられません。破産手続きは隣近所に公開されることになっていません。
また、勤め先ですが、通常勤め先がかかわるのは、破産申立の時に勤め人ですと、退職金がいくらになるかと言う証明書が必要になります。会社に直接破産するから退職金証明書くださいと言えばばれてしまいますが、退職金規定から今辞めたら退職金いくらになると自分で計算してもよいし、総務課など給料担当者に他の理由でいくらになるのかと訊いて数値を出している場合も多いです。

よって、普通はばれないで済みます。
まずいのは、会社からお金借りている場合です。破産しても会社からの借金だけは返すと言う事はできません。

④家族にばれたら困る。と言う理由もかなりあります。家族に知られないで破産できるか。
できる可能性もかなりあります。と言うのは、破産は個人の破産です。家族の破産ではありません。
破産申立する人の収入、資産で借金が返せるかという問題です。という事で、家族の援助なしに、自分の収入で返せるかが問題で、自己の収入（給料明細書）、と借金目録（債権者一覧表　どこからいくら借りているかその総額）、を対比し返せる状況か裁判所に判断してもらうのです。
ところが、破産申立には家族全員の家計収入、支出表を出すと事になっていますので、他の家族の収入証明が必要になる事もあります。
ただ、中には家庭内別居、家庭内離婚状態で、全く給料明細の協力さえ期待できない場合もあります。その場合はその家計表も本人だけの収入支出を記載して申立てます。